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 脳腫瘍(しゅよう)の一つ、脳幹グリオーマを発症した原田歩夢くんの治療は、再燃後、国立成育医療研究センターと連携した在宅チームが中心になった。4歳になったが、埼玉県から東京都への通院が厳しい。母の瑞江さん(28)や父の健太さん(28)の希望だった。

 在宅チームは2015年5月14日、自宅で両親と話し合った。医師の森尚子さん(40)は「人工呼吸器は、呼吸が弱くなった時、眠らせた状態で挿管します。話はできなくなります」など、想定される病状変化や治療内容を説明した。両親は「私たちのことが分からなくなるんだ」とつぶやいた。考えた末、急変しても人工呼吸や心臓マッサージといった心肺蘇生はしないことにした。ただ、瑞江さんは「病気の進行を遅らせる可能性があるなら続けたい」とし、抗がん剤治療の継続を希望した。

 入院すると兄の愛翔くん(7)が病棟に入れず、家族がばらばらになる。そのため瑞江さんは「とにかく家に居たかった」。寝ている時間が長くなった歩夢くんだが、5月29日には、母子で通った「みどり学園」の遠足に参加し、水族館を楽しんだ。

 7月15日、森さんは伝えた。「予後は1カ月ぐらい。かろうじてコミュニケーションがとれるのは今月いっぱい。父親もできる限り一緒に過ごす時間を増やして欲しい」「抗がん剤が病気の進行を遅らせているのかは不明で、続けると感染症で命を落とす覚悟をしなければならないです。私はお勧めしません」。瑞江さんたちは涙を目にためながら理解した。

 19日には、鼻血が止まらず、…

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