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 相続未登記などで所有者不明になる土地が増えている問題を6月に朝日新聞が取り上げたところ、多くの読者から、土地にかかる税金への不満の声が寄せられた。市場価値を失った土地や建物にも固定資産税の評価額がつけられ、不当に重い税金を納めさせられているという声が目立った。

 今年の公示地価の全国平均は、バブル期のピークだった1991年から6割下落した。一方、市町村税である土地の固定資産税収は15年度に約3・4兆円あり、91年度に比べ3割増えた。評価額の算定の仕方が変わったため単純比較はできないが、地価が下がったのに固定資産税が高止まりしていることが、納税者の不満の背景にありそうだ。

 相続税がかかるかどうかが決まる遺産総額を計算する際も、土地は実際の売買価格ではなく、固定資産税の評価額などがベースになる。

 だが、市町村にとって固定資産税収は欠かせない主要財源。評価額の引き下げは自治体財政の危機につながりかねず、見直しの動きは鈍い。

 桜井良治・静岡大学名誉教授は「土地の売買ができないような場所では、(評価額に関係なく)固定資産税を免除するような仕組みが必要だ」と指摘する。無税であれば、逆に保有したい人が出てきて、土地の売買が活性化する可能性があるという。(北川慧一)