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 「王者」の夏が始まった。大阪代表の大阪桐蔭は11日、1回戦で米子松蔭(鳥取)と対戦し、投打で圧倒して8―1と快勝。春の選抜を制した風格を見せつけ、満員の大観衆を魅了した。2回戦は第9日第2試合(16日正午開始予定)で智弁和歌山と対戦する。

■小さな巨人、ガッツで貢献 小林大介君・一塁コーチャー

 一塁コーチャーの小林大介君(3年)は身長161センチ。ベンチ入りしたメンバーの中で一番小柄な体に、一番大きなガッツを秘めている。

 欠かさなかった習慣がある。大阪桐蔭の選手は、学校から生駒山のグラウンドまでバスで移動。ただ新入生はバスに乗らず、通称「山ラン」と呼ばれる約4キロのコースを走り、グラウンドに向かう。小林君は3年生22人でただ一人、山ランを今も続けている。

 放課後、バスに荷物を載せると、住宅街から山道を駆け上る。春は桜を眺めるのが楽しみだ。夏は昆虫のにおいがする中、秋は落ち葉を踏みしめ、冬は寒さに耐えながら、ひたすら走る。タイムが自分のバロメーターで、16分台なら「いつも通り」だ。

 1年秋からは、バスより速くグラウンドに到着できるようになった。地道な努力を重ねる姿に、仲間たちは「小さな巨人」と呼ぶ。西谷浩一監督(47)も「誰もが信頼するチーム一番の努力家です」と褒める。

 頑張れるのは、母喜代子さん(48)との約束があるから。小4のとき、父誠一さん(享年41)をくも膜下出血で亡くした。「何かをやり通す気持ちを持ちなさい」。喜代子さんはそう言って、野球を続ける自分の背中を押し続けてくれた。

 この日、小林君は一塁側コーチスボックスから、相手投手の癖や外野の守備位置を打者とベンチに伝えた。九回。守備交代で、遊撃手として初めて甲子園のグラウンドに立った。

 「少しでもこのチームで野球ができるように、自分の出来ることは何でもしたい」(半田尚子)

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