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 紫外線対策は子供の頃から行うことが重要です。その理由を理解するためには、肌の健康寿命について知る必要があります。

 肌の健康に悪い影響を与えるものはいろいろありますが、その中で最も影響が強いとされているのが、紫外線です。紫外線によるダメージが肌に蓄積した結果、シミ、しわ、たるみなどの老化(光老化)が起こり、時に皮膚がん(紫外線発がん)が発生することもあります。

 もともと人間には、紫外線から身を守るシステムが備わっています。「メラニン」は、茶色の色素で、日焼けやシミなどの原因として悪役のようにいわれています。しかし、本来は、太陽から降り注ぐ紫外線から肌を守る「日傘」のような役割を持っており、重要な遺伝情報であるDNA、そして肌のハリのもとである真皮のコラーゲン線維などを紫外線から守ってくれています。

 このような防御システムがあるのになぜ、子供の頃から紫外線対策が必要なのでしょうか。その答えは、われわれ日本人の長寿命化にあります。

 個人差はありますが、もともと備わっている防御システムのみによって紫外線発がんや光老化から肌を守ることができるのは、せいぜい50年程度といわれています。日本人の寿命が今よりずっと短かった頃、紫外線対策は重要ではありませんでした。肌が老化する前に寿命が尽きていたからです。しかし、今や日本人の平均寿命は80歳を超えています。もし何も紫外線対策を行わなければ、寿命をむかえる前に肌の方が先に耐用年数に達してしまいます。つまり、医学の進歩によって、肌の健康寿命よりも延びてしまった寿命の30年分は、われわれ自身の努力で紫外線から肌を守るしかないのです。

 何もしなければ50歳で尽きてしまう肌の健康寿命を80歳まで引き延ばすため、子供の頃から紫外線対策が必要なのです。

<アピタル:医の手帳・紫外線>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/

(新潟大学医歯学総合病院 藤本篤助教(皮膚科))