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 東海大菅生は昨年まで3年連続、西東京大会の決勝で敗れた。「四度目の正直」となった今年、決勝戦の相手は強打者の清宮幸太郎君を擁する早稲田実だった。その打線を抑えた松本健吾君(3年)は14日、新たに背番号1をつけて甲子園のマウンドに立った。

 松本君は西東京大会で優勝した翌日、「甲子園ではお前が1番だ」と若林弘泰監督(51)から告げられた。ようやく、「エースとして認められた」ことがうれしかった。

 最速145キロを投げ、昨秋には背番号1となった。だが、マウンドでは弱気。ボールが先行し、甘く入った球を打たれる投球が続いた。悪循環を断ち切ろうと無理に練習を重ね、冬に左足をけがした。痛みで歩くのも難しくなり、エースナンバーも失った。

 成長していくライバルを見て「不安に押しつぶされそうだった」が、その投球を見つめ、自分に足りない部分も分かった。どんな相手にも動じない戸田懐生君(2年)からは「強気」を、走者を背負っても崩れない山内大輔君(3年)からは「余裕」を学んだ。

 復帰した春以降は夜遅くまで、一人でシャドーピッチングを続けた。常に打者を意識し、弱気を振り払うように腕を振った。だが、エースナンバーはもらえないまま。「誰よりも努力してきたのに」とふてくされた時、若林監督から「背番号1をつけたいなら、甲子園に行け」と言われた。

 背番号11だった西東京大会では、試合ごとに成長を見せた。準々決勝では選抜大会に出場した日大三を相手に、8回を投げて3安打無失点。早稲田実との決勝では高校通算本塁打107本の清宮君と真っ向勝負。単打1本に抑え、完投勝利で優勝を飾った。

 名実ともにエースとして迎えた甲子園の初戦は、高岡商(富山)に11―1で完投勝利。試合後は「満足できる投球内容ではない」と言いながらも、「やっと夢がかないました」と表情を緩ませた。(高島曜介)

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