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 第99回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)で東東京代表の二松学舎大付は13日、秋田代表の明桜に14―2と大勝して初戦突破し、3回戦へ進んだ。序盤から強打を発揮し、19安打を集めて一方的な展開に持ち込み、3年ぶりに夏の甲子園で1勝を挙げた。次戦は第10日(17日)の第2試合(午前10時30分開始予定)で、香川代表の三本松と対戦する。14日は、西東京代表の東海大菅生が富山代表の高岡商との初戦(午前10時30分開始予定)に臨む。

■永井選手、喜びかみ締め5安打

 「やらかした」

 二回の先頭だった二松学舎大付の4番永井敦士(3年)は、初球の内角高めの変化球を打ちに行った瞬間、思った。明らかなボール球。詰まった球は遊撃手の前に転がった。だが、50メートル走5秒8の俊足を生かし、セーフにした。

 犠打で二塁に進み、適時打で先制のホームにかえった。4番としては少しふがいない内野安打だったが、これで吹っ切れた。「初球を振れたし、結果的に点も入ったし」

 永井は、今月3日に甲子園入りしてからも「三振したらどうしよう」とマイナス思考から抜け出せずにいた。1年秋から主軸を担い、高校通算47本塁打で都内屈指のスラッガーとして注目されたものの、東東京大会の打率は先発メンバーで最も低い3割3分3厘。全6試合で三振は5、併殺打は2といずれもチーム最多。4番の役割を果たせていないと感じていた。「自分が打たなきゃ」という呪縛に苦しめられた。

 4日、甲子園に来て初めての練習があった。永井は打撃投手相手に甘い球を見逃し、浮かない表情。そんな姿を見て市原勝人監督は「いつまでぐずぐずしてんだ」と叱り、バッティングセンターでの練習に参加させなかった。宿舎に戻り、市原監督は「誰もが立ちたい甲子園に立てるのに、なぜ楽しまないのか。野球を始めた頃を思い出せ」。

 永井が野球を始めたのは小学2年。何も考えず、来たボールを強くたたいていた。それだけで楽しかった。監督の言葉で目が覚めた。「悩んでいる自分がばからしい」。試合前日夜、甲子園球場が見える宿舎近くの駐車場で仲間と30分、素振りをした。憧れの舞台に立てる喜びをかみ締めながら。

 こうして臨んだ初戦。最初の打席で気持ちがほぐれ、4万3千人の観客の歓声も心地良くなった。左翼の守備でも「自分のところへ飛んでこないかな」。2打席目以降も初球打ちを心がけてフルスイング。終わってみれば5打数5安打1打点。練習試合も含めて一番の結果だった。野球を楽しめた。でも主砲は満足していない。「4番らしく、もっと本塁打や長打を放って頼れる存在になる」(酒本友紀子)

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