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 ベゴニアに囲まれ、満面の笑みを浮かべた遺影。そのそばには、姉妹のウェディングドレス姿の写真が置かれていた。お父さんに見せたい。でも……。迷いながらついに見せることができなかった。父が育てた花に囲まれて撮った写真。

 遺影の男性は、大分県竹田市久住町の観光ベゴニア園「くじゅう高原フラワーズヴァレー」のオーナー野上善孝さん。咽頭(いんとう)がんにかかり、治療を続けていたが、7月17日に63年の生涯を終えた。

 善孝さんのことを、4月30日付の朝日新聞で紹介した。約20年前、脱サラして山間部に移住し、ベゴニア園を開いた。10年ほどたち、生活はようやく安定した。ところが、昨年4月12日、がんと告知された。その4日後には熊本地震。鉢が軒並み倒れた。倒れながらもしっかり土をつかむベゴニアに胸を打たれ、諦めず育て続けている――。

 記事が掲載されると、がん患者や、音信不通だった友人らが次々に園を訪れた。「元気をもらった」と言われたり、がん治療に関する情報を交換したりして、善孝さんも元気に接客していた。

 5月には次女花絵さん(24)の披露宴があり、バージンロードを一緒に歩いた。10月には初孫が生まれる予定で楽しみにしていた。

 だが園が夏季休業に入った7月になると、1人で歩けないほど、がくんと体力が落ちた。乳がんで亡くなった小林麻央さんの報道や、通院の途中に車窓から見た九州北部豪雨の被害にもショックを受けていた。

 7月14日、自宅で血を吐き、…

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