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 13日は盆の入り。福島県飯舘村では3月末に大部分の避難指示が解除されてから初めてのお盆を迎え、村民らが墓参りに訪れた。

 隣接する伊達市に避難している青木公男(きみお)さん(68)は、妻の直子さん(63)と、先祖代々が眠るお墓に自ら育てた花を供え手を合わせた。公男さんは村の自宅に月に数回帰る。田んぼが作付けされず、カエルが鳴かなかった6年前と比べ、今は少しずつ元の自然が戻ってきたと感じている。ただ、自宅裏の山が除染されていないため、今は村に戻る予定はない。「安心して食べ物が作れ、孫が遊びに来られるようにならないと」と考えている。

 一方で村の避難指示が解除され、「戻ってきた人もいてやっと落ち着いた」(直子さん)とも感じている。お墓近くには、除染廃棄物が積まれた仮置き場がある。公男さんは「(避難指示を)解除するなら、こういうのが全部なくなってからという声は今もある」と話した。

 お墓近くに住んでいた青木香一さん(73)、ナミ子さん(73)夫妻は、隣の家に住んでいた女性と数年ぶりに再開し、笑顔を見せた。自宅の建て替えが10月には完成する。冬の終わりを待ち、来春には村へ戻る予定だ。「仮設では何にもしないでポカーとしてる。田んぼや畑の草を刈って、花を育てるのが楽しみ」

 東日本大震災後に移り住んだ北海道から帰省した田辺将さん(14)は避難指示解除後初めて村を訪れた。「建物が解体されて少なくなったけど、やっぱり懐かしい」と感じた。

 12日には村の中心部に道の駅が開業した。復興の兆しも見えるが、戻った住民はまだ震災前の1割に満たない。(福留庸友)