[PR]

(13日、高校野球 明豊7―6坂井)

 快音を残して、打球が夕刻の空へ舞い上がった。放物線を描いた白球は、西日が差す左翼席で弾んだ。八回、明豊が2点本塁打で逆転した。

 前半にリードしながら追いつかれ、2点を勝ち越された直後だった。主将の三村はベンチで言った。「まだ2回ある。自分たちがやってきたことを信じたら、絶対に取り返せる」

 その三村の適時二塁打で1点差に迫る。2死二塁となって打席には3番浜田。「直球に張っていた」。カウント1―1から内角の126キロを鋭く振り抜いた。「長いバットでコンパクトに打つ練習をしてきたから、打てたんだと思います」。この日、長打3本で4打点を稼いだ。

 「87センチ」が長距離打者のパワーの源だ。川崎監督が選手の能力に応じて、1センチ刻みで練習用のバットを選ぶ。87センチ、1キロと最も長く重いものを渡されたのは、4番の杉園ら5人程度。その中に2年生の浜田もいる。長いバットを振り込み、浜田は「打球の質が変わった」。試合では83センチか84センチのものを使うため扱いやすく、鋭さが増した。

 チームとしても大分大会の5試合で53得点。打撃力が今年の強みだ。

 2年前の夏の大敗から、明豊は再出発した。仙台育英に1―12で敗れ、パワーの差を痛感した。その冬、寮の前にトレーニング室を設置。筋力アップに取り組んできた。三村は「2年前に大敗して、甲子園では打てないと勝てないとわかった。打ち勝つことを目標にやってきた」。培った打撃が、夏の甲子園で6年ぶりの白星に結実した。(増田啓佑)

こんなニュースも