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 希代のスーパースターのラストラン。有終の美の疾走を期待した世界のファンは、悲劇的な結末を目撃することになった。12日にロンドンで行われた陸上の世界選手権男子400メートルリレーで、ジャマイカのアンカー、ウサイン・ボルト(30)が左脚にけいれんを起こし、まさかの途中棄権に終わった。

 ボルトは5連覇を狙ったジャマイカの最終走者だった。英国、米国と競り合う展開でバトンを受け取り、直線で加速しようとしたところで、突然、195センチの体に異変が起きた。苦痛に顔をゆがめ、それでも懸命にゴールをめざそうとしたが、倒れ込んだ。地元英国の金メダルに沸く大観衆のスタジアムには、トラックでうずくまるボルトに起きたアクシデントへのどよめきが重なった。

 今大会を最後に現役を退くと宣言していた。開幕前、300人以上が詰めかけたロンドンでの記者会見で強気に言い放った。「100%の自信がある。レース後の見出しは『無敵』、『誰も止められない』だ。みんなメモしておけよ」

 「一番好き」と公言してきた200メートルの出場を自重し、個人種目は100メートルに絞ったが、銅メダルで3連覇を逃していた。見納めとなるリレーでは、これまでは出場を「免除」されていた予選から珍しく走った。朝から自分の最後の雄姿を目撃しようと詰めかけてくれるファンへの気遣いもあっただろう。

 予選のあと、「朝から走ることなんてないけれど、観衆の絶大な声援は言葉で表現できないくらいだ。感謝の気持ちでいっぱい」と話していた。午後9時50分から予定された決勝前も、サブトラックにいるときから、見守るファンの声援に応え、他国の選手仲間とじゃれあうリラックスした光景が見られた。

 何が「史上最強のスプリンター」のアクシデントを誘発したのか。

 取材ゾーンで、銀メダルだった米国選手がレース前に長時間、寒い中で待たされて体が冷えてしまったと明かした。英メディアによると、ジャマイカチームの同僚で、3走を走ったヨハン・ブレークは大会の運営サイドに不満を漏らした。

 レース直前に二つの種目の表彰…

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