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 神村学園は14日、好投手を擁し、堅守を誇る京都成章(京都)と対戦。1点を争う接戦をサヨナラで制した。序盤に先取されたが中盤に逆転。九回には本塁打で追いつかれたが、粘り強い攻撃で試合を決めた。

 次戦は17日の第3試合、明豊(大分)と対戦する。

■「守備のリズム」流れ変えた エース青柳貴大君

 1点を先行されて迎えた六回、マウンドのエース青柳貴大君(3年)は冷静だった。五回が終わってグラウンド整備が進む間、いつものようにベンチ裏で座禅を組んで呼吸を整えた。

 打席には北田諒大(りょうだい)君(3年)。京都大会では打率4割を超える強打者を内野ゴロに打ち取った。さらに続く2人から三振を奪った。

 打者3人で抑えたのは一回以来。毎回得点圏に走者を背負う展開だったが、「これで初めてこちらに流れが来た」と小田大介監督。その裏の攻撃で田中祐大君(3年)が右越え三塁打を放って逆転に成功。守備からリズムをつくり、攻撃につなげる。神村学園がめざす野球の姿だった。

 青柳君は小学1年から野球を始め、中学1年の時に監督から「肩の使い方がうまい」と言われて投手になった。球速は130キロを超え、「四球を出す意味がわからない」と言うほど安定した制球力を誇った。

 しかし、高校進学の直前に肩を痛めた。回復に4カ月ほどかかり、さらに2年生の夏にひじを故障。続くけがに、実家の福岡から鹿児島に送り出してくれた両親に申し訳なかった。

 そして今年2月、極度の緊張などで体が硬直する運動障害「イップス」を発症。ボールを投げることすら怖くなった。

 「どうしたらいいかわからない」。頼ったのは、結果を出せていない分、「壁」を感じていた小田監督だった。しかし、投球フォームの指導など何かと話しかけてくる小田監督に打ち解け、春の県大会では再び投げられるようになった。

 そして夏の大会で、初めてエースナンバーを託された。「普段の生活を含め、一番信頼のある人がつけるべきだ」と小田監督。「練習量を含め、一番がんばった」と信頼を寄せる。

 「技術は中学のときより劣るかもしれないけど、心は成長した」と青柳君。背番号は意識しない。チームの勝利のため、次戦も全力で投げるだけだ。(井東礁)

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