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 日本のノーベル物理学賞受賞につながった素粒子・ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」の性能を、東京大などの研究チームが大幅に高める。2019年度にもレアアースを水槽内に混ぜ、物質の成り立ちの解明につながる「反電子ニュートリノ」の観測を目指す。

 スーパーカミオカンデは、岐阜県飛驒市の旧神岡鉱山の地下にあり、直径・高さが約40メートルの水槽に高感度センサーを取り付け、5万トンの純水で満たしている。この装置でニュートリノに質量があることを突き止め、東京大宇宙線研究所の梶田隆章所長が15年にノーベル物理学賞を受賞した。

 研究チームは新たに、はるか遠くの宇宙で起きた超新星爆発から放出された反電子ニュートリノの観測を計画。だが、飛来数が極めて少ないため、現在の感度では検出が難しい。

 研究チームは感度を上げるため、レアアースの「ガドリニウム」に着目。飛来した反電子ニュートリノが、水槽内で陽子とぶつかると陽電子と中性子が出る。陽電子はチェレンコフ光を発し、中性子を吸収したガドリニウムが放出するガンマ線からもチェレンコフ光が出る。この二つの光を目印に観測する。装置を改造し、水槽内の水に0・1%混ぜることにした。

 ガドリニウムを投入する機器は設置済みで、早ければ19年度にも稼働させて、反電子ニュートリノの飛来に備える。銀河系のはるかかなたから来る反電子ニュートリノを正確に観測できれば世界初となるという。

 実験を代表する東京大神岡宇宙素粒子研究施設の中畑雅行施設長は「反電子ニュートリノの観測を通して、超新星爆発の歴史がわかれば、宇宙だけでなく、物質の成り立ちの解明にもつながる」と話している。(田中誠士、竹石涼子)