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 大阪市のヘイトスピーチ抑止条例が昨年7月に全面施行されてから1年が過ぎ、当初の想定以上にインターネット上にあふれるヘイトスピーチ動画の対策が課題とわかってきた。動画は匿名での投稿が多いため、市はネット事業者から実名を取得できるよう条例改正を検討している。ネット上の匿名社会に一石を投じる動きだが、「通信の秘密」や「表現の自由」に関わり、課題も多い。

 「日本からたたき出せ」「殺せ」「ゴキブリ」

 こうした言葉を在日韓国・朝鮮人に向ける街宣活動の映像が、動画投稿サイトに無数に載せられている。

 市は条例施行後、法律家らの「市ヘイトスピーチ審査会」で、市民から申し出を受けた動画がヘイトスピーチにあたるかを議論。これまでに「ニコニコ動画」の3件、「YouTube」の1件をヘイトスピーチと認定した。さらに動画の拡散を防ぐため、各サイトの運営会社に削除を要請。4件とも削除された。

 しかし、課題にぶつかった。条例は、同様の行為を繰り返さないよう動画投稿者らの実名を公表できると定める。だが、4件ともハンドルネームの投稿で実名がわからない。市は、投稿者が市に連絡するよう運営会社に仲介を頼んだが、投稿者から連絡はなかった。

 運営会社が市に利用者情報を提供できないのは、提供すれば電気通信事業法に反する恐れがあるためだ。同法は、事業者は「通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない」と定め、罰則もある。そもそも憲法21条が「通信の秘密は、これを侵してはならない」と規定している。従来、通信の秘密は、通信の内容だけでなく発信者の氏名や住所も含まれると解釈されている。

■ネット対策、焦点に

 条例制定にあたり、2015年…

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