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■文化の扉

 愛用の器が割れたり、欠けたりしたら――。捨てて買い直す人も多いのでは。でも今、破損した器を漆で継ぎ、金や銀で化粧して繕う「金継(きんつ)ぎ」が静かなブームになっています。この伝統技術の背景には、日本独特の美意識があるようです。

■多くを失った震災 モノとの縁を大切にする思い

 「漆ってどう塗ったら良いんですか」「漆はすぐに乾いたりするの?」……。8月上旬、東京・表参道の工房で陶芸教室などを開く「彩泥窯(さいでいがま)」では、女性2人組が金継師の指導を受けながら、割れたり欠けたりした器を漆で継ぎ、金粉を蒔(ま)く作業に没頭していた。

 この日は4回コースの3回目で、作業はおよそ1時間半。金粉をまとった器を見た2人は「思い入れのある器に一手間加えることで自分のものになっていく気持ちになった」「器の細部まで見て魅力を再発見することもでき、愛着がいっそう高まった」と笑顔を見せた。

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 「金継ぎ」は漆を接着剤のように使い、割れや欠けの部分に金粉などをまぶして装飾する。壊れた器の修復にとどまらず、そこに新たな美的価値を見いだす。近年、全国各地で金継ぎの教室などが盛んで、彩泥窯でも2008年から金継ぎ体験を始めた。会員とビジターの2コースがあるが、希望者は年々増えている。特に、20年の東京五輪決定を機に日本文化への関心が高まり、金継ぎ体験を希望する海外の人々も急増。1日体験には平均で月15組が来るほどだ。

 彩泥窯の金継師・三橋綾乃さんによると、「外国の方々はものを大切にする日本の文化に触れたいと金継ぎを希望するケースが多い」という。また、「一つのモノとの縁や思い出を大事にしたいと考える人が増え、それが今の金継ぎ人気につながっているのでは」とみる。

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■壊れたものは壊れたなり生かす 伝統の美意識

 そもそも、金継ぎはいつごろから始まり、その価値はどう受け止められてきたのか。

 日本人が漆を使い始めたのは縄…

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