[PR]

 スペイン北東部バルセロナの繁華街で17日夕(日本時間18日未明)、バンが歩道に突っ込み、少なくとも13人が死亡、100人以上が負傷した。ラホイ首相は「ジハーディスト(聖戦主義者)によるテロだ」とし、イスラム過激派の犯行だとの見方を示した。欧州では、昨年夏に起きた南仏ニースのトラック突入テロ以降、車を凶器に使う事件が目立っており、ドイツや英国に続き、スペインも標的になった。

 現場は世界的な観光地バルセロナきっての繁華街ランブラス通り。高級ブティックやレストラン、土産物店が集まり、観光客らがそぞろ歩きを楽しむパリのシャンゼリゼ通りのような場所にあたる。午後5時ごろ、車が歩道に突っ込んで観光客らを次々とはねた。ジグザグ走行していたとの証言もある。死傷者の国籍は約20にのぼると伝えられている。日本人観光客も多い地域だが、在バルセロナ日本総領事館によると、18日午前0時(日本時間同7時)時点で、日本人が事件に巻き込まれたという情報は寄せられていないという。

 地元メディアによると、犯行に使われた白いバンはバルセロナ近郊で貸し出されたレンタカーだといい、この車にからんでモロッコ人の男が逮捕された。ただし、運転していたとされる男は逃走を続けている模様だ。

 また、地元警察は、バルセロナの南西約200キロの町で16日夜に起きた住宅でのガス爆発について、今回のテロとのかかわりがあるとみて捜査に乗り出した。1人が死亡、7人が負傷した爆発で、現場から大量のガスボンベが見つかっており、スペイン人の男が逮捕された。テロのための爆発物を用意していた疑いがあるとみているという。

 さらに、別の地中海沿いの街でも車が市民に突っ込む事件があった。警察当局は5容疑者を射殺し、バルセロナの事件と関連があるのかどうか調べている。自爆ベルトを持っていたとの情報もある。

 ラホイ首相は「自由を愛する市民が、テロリストに屈することは決してない」とツイッターで表明。バルセロナ入りしての記者会見では「テロの脅威は世界に広がっており、対応もまた世界での取り組みが必要だ」と語った。

 容疑者の動機や背後関係などは明らかになっていないが、過激派組織「イスラム国」(IS)系メディアのアマク通信は17日夜、「バルセロナでの襲撃は、有志連合国に対する攻撃要請に応じ、ISの戦士たちが実行した」とする記事をインターネット上で発信した。犯行の具体的な内容や犯人に関する情報、被害状況などには言及していない。ISが存在感を示すため、一方的に犯行への関与を主張した可能性もある。

 ISは今年7月、2014年以降最大の拠点としてきたイラク北部モスルを、イラク政府軍の軍事作戦により失った。「首都」と称してきたシリア北部ラッカも、米軍が支援するクルド人部隊による奪還作戦を受けて劣勢が続いている。

 ただ、両国内外に分散した組織は連絡を維持しているとみられ、アマク通信などを通じて「戦果」を誇示したり、支持者にテロ攻撃を促したりして、存在感を保とうとする動きを続けている。(バルセロナ=榊原謙、ドバイ=渡辺淳基、パリ=青田秀樹)