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■てんでんこ:音楽の力9

 阪神大震災から7年を前にした2001年12月、兵庫県尼崎市で公演中だった佐渡裕(さどゆたか)の楽屋に、当時の県知事・貝原俊民(かいはらとしたみ)(故人)が直談判に来た。「計画中の県立芸術文化センターの芸術監督になってほしい」

 楽団の立ち上げやホールの設計から関わる大仕事だ。海外が活動の中心だった佐渡は悩んだが、「震災前より一層優しく力強い街になるよう、音楽で発信してほしい」という言葉に心が震えた。地震直後に仕事で海外に飛び、何もできなかったことへの罪の意識もあり、引き受けた。

 演奏して評価される。そんな自分のための音楽でなく、「人や地域にとって音楽とは何か」を考えることになった。

 佐渡は、劇場を根付かせるため、建設前から予定地の西宮市内をまわった。小中学校やママさんコーラスの指導をしたり、屋外でミニ演奏会をしたりした。町にはまだ更地が目立ち、被災者の生活苦は続いていた。

 商店街の車座集会で「立派な劇場を建てるお金があったら、うちの二重ローンを払って」と言われたこともあった。「音楽がどれだけの力を与えられるのか」と悩んだ。

 一方、壊滅した商店街で震災翌…

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