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 世界遺産として知られる白神山地の近くにある名所「青池」の水はなぜ青いのか? 青森県環境保健センターの研究員がそのナゾの解明に取り組み、研究の途中経過を県のホームページで公表した。青池の水そのものに、秘密がありそうだという。

 青池は、深浦町にある十二湖の中の一つ。その名の由来も、太陽に照らされると湖水がコバルトブルーのように青く見えることにちなむ。その透明さは湖底が見えるほどで、十二湖の中でも人気の観光地だ。ただ、青色の理由はこれまで明らかになっていなかった。

 3年前、「青池はなぜ青いのか」の研究に個人的に取り組み始めたのは、県環境保健センターの花石竜治主任研究員(46)。花石さんはナゾの解明に先立ち、複数の仮説を立てた。①青く見せる物質が水中にある②水中の酸素濃度が高い③水の性質が際だっている、の三つだ。

 ①は、北海道美瑛町で有名な「青い池」からヒントを得た。美瑛町の青い池は水中にケイ酸アルミニウムという物質が含まれ、光を反射することで青く見えることがわかっている。②は、液体酸素がかすかに青色をしていることから着想した。③は、水にはもともと赤い光を吸収する性質があることから思いついた。水の透明度が極めて高く、水中に赤い光を吸収しづらくする泥やプランクトンなどがなければ、青く見えるのではないかと考えた。

 光の吸収の仕方を調べるため、花石さんは、釣りざおの先に光を感知する定価900円のセンサーを取り付け、独自の測定機械を作成。休みに約10キロの荷物を担き、青森市の自宅から電車で片道3時間以上かけて青池に通った。より詳しく調査をしようと、16年度にはセンターが公募した研究テーマに応募し、事業として研究を重ねた。

 これまでの研究で導き出したのは、「水の性質が際だっている」説が最も可能性が高いということだ。成分検査では、青池の水には青く見せる物質は含まれておらず、濁りがほとんどないことがわかった。さらに、隣の青くない池と比べて酸素濃度が低いことも分かった。湖底が白く光がきれいに反射すること、青池の水がわき水でとてもきれいなことなどから水の性質が際だち、「奇跡的に」青い色に見えるという。

 花石さんは「一定の道筋が見えてうれしい。けれど、まだ仮説」と話す。今年度の課題は、赤い光をどれだけ吸収しているかを明らかにすること。また、青池の色の濃さが時間とともに変わる理由にも迫りたいという。(山本知佳)