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 小豆島に生息するシカやイノシシなどの皮を利用し、バッグや雑貨などを製作・販売する「うすけはれ」が今春、小豆島町中山にオープンした。オーナーは上杉新(あらた)さん(30)と道代さん(31)夫妻。「今まで害獣として処分されていたものをそこで終わらせるのではなく、人々の暮らしにつなげていきたい」と話す。

 新さんは埼玉県越谷市出身。「地方での暮らしを肌で感じてみたい」と、2016年までウェブデザイナーとして高松市で働きながら、女木島に住んでいた。落花生などの農作物がイノシシに食い荒らされているのを知り、「デザイナーとして何か自分にできることはないか」と考え、16年11月に捕獲後処分されていた野生動物の皮を活用した製品を作るプロジェクト「min.good」を立ち上げた。12月に道代さんの実家がある小豆島に移住し、今年5月に「うすけはれ」を開店した。

 店はそうめん工場だった建物を改修した。店名は地域に根を下ろしたいという思いから、工場の屋号の「宇助(うすけ)」を残し、日常の「ケ」と非日常の「ハレ」を感じてほしいと「うすけはれ」と名付けた。麺を熟成させるのに使用した木箱や木製のはしごをテーブルの一部として使用したり、天井の無数の送風機をそのままインテリアにしたり、工場の名残をとどめている。

 店で取り扱う革製品は、地元の猟師から譲り受けた捕獲後のシカやイノシシから製作。新さんが皮をはぎ、製品の型をデザインしている。今年に入ってから取り扱った皮は約80頭分。トートバッグやクラッチバッグは3万~4万円前後で販売されており、予約から入手まで半年待ちという人気ぶりだ。

 店内では2~3カ月に一度、上杉さん夫妻や島外のデザイナーが製作したアクセサリーやバッグなどの展示会も企画している。

 新さんは「シカやイノシシは処分すべき害獣というイメージがついているが、島の人たちには素材としての魅力を再発見してほしい。実際に製品を見て、触れてもらうことで、自然の中で生まれ育つ命について考えてほしい」と話している。(林紗記)