[PR]

 カンガルーやコアラなど有袋類の祖先の仲間にあたる哺乳類「後獣類」の化石が日本で初めて熊本県御船町で発見された。御船町恐竜博物館が24日、発表した。日本列島が大陸とつながっていた白亜紀後期に、後獣類が内陸だけではなくアジア東岸にもいたことを裏付ける初の証拠という。

 発見されたのは高さ約2ミリ、前後約2ミリ、横幅約3ミリの歯の化石。突起の位置や、歯がかみ合う部分の外側が広く平らな特徴が、モンゴルで化石が発見されている後獣類デルタテリディウムと一致しており、デルタテリディウム科の動物の左上あごの大臼歯とみられている。

 発掘場所は御船町田代の天君(あまぎみ)ダム下流右岸にある白亜紀後期の地層で、御船層群と呼ばれる。そのうち上部にある9千万年前の層で2002年に採集された岩石の中から、2014年3月に同博物館の技師富田優司さん(61)が発見した。

 後獣類の化石は北米やモンゴル、中国、ウズベキスタンで多く見つかっていたが、日本では未発見だった。

 中生代の哺乳類化石に詳しい福井県立大学恐竜学研究所の宮田和周(かずのり)准教授(48)は「後獣類が広い地域で進化を続けていたことがわかる」と話した。(松沢拓樹)