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 児童精神科医で川崎医療福祉大客員教授の佐々木正美さん=享年81=が6月に亡くなった。教育書「子どもへのまなざし」(福音館書店)など子育てに関する多数の著作を残したほか、自閉症の療育プログラムを米国から導入して発達障害への理解を広める活動に情熱を傾けた。

■子と親に寄り添い、包んだ

 「では一番後ろに座っている方、ご質問をどうぞ」

 佐々木さんの家族によると、他界する約2週間前、都内の自宅で眠っていて、そんな寝言をつぶやいた。血液を正常に作れなくなる「骨髄線維症」と診断されたのは7年前。病状が悪化し、昨年3月で最後になった講演の夢を見ていたようだったという。

 自閉症児とその親に寄り添いながら、診察室外で力を注いだのは子どもと接する人たちへの勉強会だった。長年、佐々木さんと子育て支援活動をしてきた神奈川県の「子育て協会」代表の杉浦正明さん(70)は、「子どもの心理や育児する親の心構えを柔和な表情で穏やかに語り、聴き手の悩みに耳を傾けていた」と振り返る。

 横浜市の保育関係者向けセミナーをまとめた著作が代表作の「子どもへのまなざし」だ。1998年の出版以降、多くの親たちに読み継がれ、続編を含む全3巻は累計80万部のロングセラーに。

 2児の母でエッセイスト小島慶…

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