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 北朝鮮によるミサイル発射を受け、日本政府は29日午前7時過ぎ、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を開き、対応を協議した。終了後、安倍晋三首相は記者団に「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と述べ、「政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握している」と強調した。

 被害の情報はいまのところ入っていない。小野寺五典防衛相は、防衛省内で記者団に対し、今回のミサイルの種類について「ノドンやスカッドではなく、本年5月14日、日本海に向けて発射された中距離弾道ミサイル(と同種)だった可能性がある」と指摘。5月14日のミサイルは、高角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」だったのに対し、今回は「通常の形で打たれた」とした。日本の領空を約2分間飛翔(ひしょう)したが、「我が国に飛来する恐れがない」と判断し、自衛隊法に基づくミサイル破壊措置は実施しなかったと説明した。

 日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に最も強い形で抗議。菅官房長官は記者会見で、「事前に通告もない中で、(日本)上空を(ミサイルが)通過した。従来と全く違う意味で、極めて深刻度が高い」と述べた。北朝鮮を非難し、核・ミサイル問題の解決に向けて具体的な行動をとるよう求める異例の官房長官声明を出した。

 河野太郎外相は外務省内で、記者団に対して「我が国に対する危機が相当強くなってきている」と強調。記者団から北朝鮮が包囲射撃を予告したグアム周辺ではなく、襟裳岬上空を通過する軌道だった狙いについて問われ、「今まで(北朝鮮が)それなりの挑発をし、米国が対応を取ってきたことを考えれば、北朝鮮がそれに少しひるんだということだろう」と分析した。

 また、自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長が29日午前、国会内で会談し、今回のミサイル発射を受けて、30日に衆院安全保障、参院外交防衛の両委員会で閉会中審査を開く方針を確認した。午後に野党側に提案するという。