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野村忠宏(五輪3大会金メダリスト)

 自分の階級だから言うわけではないが、最軽量級には技の多彩さ、スピード、密着しての攻め、組み際のせめぎ合いなど、柔道の魅力が詰まっている。その男女2階級で日本は初日、金2、銅1を獲得。好発進した。

 リオ五輪の悔しさを抱えた男子60キロ級の高藤は、スキがなかった。調整も順調だったのだろう。時折、集中力が切れる悪癖があるが、この日はそれもなし。小内刈り、浮腰などがスムーズに出て、決勝進出まで不安はなかった。

 相手はアゼルバイジャンのサファロフ。実は準決勝で敗れたウズベキスタンのウロズボエフの方が不気味な存在であったが、その相手に一本勝ちしたサファロフは勢いがあった。

 決勝。相手の小外刈りが来た時にドキッとした。だが、高藤は落ち着いて大内刈りで切り返し、技ありを奪った。その後、一本勝ちしたが、この最初のポイントで優勝を確信した。過去に頂点に立った経験がしっかりと結果に出た。

 世界初挑戦の女子48キロ級の渡名喜からは「失う物は何もない」という挑戦者の心意気を感じた。準決勝のカザフスタンのガルバドラフ戦は、優勝候補相手に小内刈りでポイントを取った。この階級でも小柄な彼女が得意の足技、寝技で勝ち上がった優勝だ。

 3位になった近藤も元世界王者だが、現王者とは位置付けが違う。2020年東京五輪に向けては同じ年のライバル渡名喜が一歩リードしたと思う。