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 スピード重視の時流に逆らい、のんびりと生地を編み続けている機械が和歌山市内にあるという。その魅力を国内外に発信しようと、ファッションブランドを立ち上げる人も出てきた。桜の名所で有名な紀三井寺のふもとにある、レトロな工場を訪ねた。

時紀行

 古い木造校舎のような雰囲気の工場。シャーッ。足を踏み入れると、糸や歯車が擦れる音が響きわたっていた。

 梁(はり)からつり下げられた約100台の「吊(つ)り編み機」が、くるくると回転している。材料の糸や機械を動かす革バンド、むき出しになった歯車――。色んなパーツが一斉に回転する様は、まるでからくり時計の仕掛けのようだ。

 和歌山市紀三井寺にあるニット生地製造「カネキチ工業」。機械の下方に筒状の生地がふんわりとたまっていく。編むスピードはのんびりで、1時間に長さ1メートル前後。洋服1着分に満たない量だ。

 吊り編み機は1900年ごろにスイスなどから輸入され、60年代までは多くの工場に並ぶ花形だった。しかし大量生産の波に押され、数十倍の速さで編める高速の編み機に取って代わられるようになっていった。今や世界中でも、吊り編み機でスウェット(トレーナー)の生地を編めるところは数えるほどしかないという。

 「空気を含みながらふわっと編んでいく。能率は悪いが、手作りのおにぎりのような、独特の風合いが生まれる」と同社取締役の南方仁太郎(みなかたまさたろう)さん(33)は話す。

 ゆっくり。だけど高品質。この…

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