[PR]

 トヨタ自動車が、クルマの相乗りや共用をしてもらうシェア事業に本腰を入れる。東南アジアではライドシェアなどの配車サービスで現地最大手のグラブと協業を始め、米ハワイでカーシェアに本格参入する。シェアや自動運転の普及を見据え、移動サービスを提供する企業へ脱皮を図る。

 「東南アジアでも魅力的なモビリティーサービスをお届けしたい」。友山茂樹専務役員は30日発表したグラブとの協業について、そんなコメントを出した。

 グラブは本拠を置くシンガポールなど東南アジア7カ国で、ライドシェアと呼ばれる相乗りやタクシーの配車サービスをスマートフォンを通じ提供している。

 着手した協業では、グラブの車両100台に通信機器を載せて運転データを集める。相乗りのドライバーらに、安全運転なら保険料を安くする保険や、修理が必要になれば自動的に伝えるサービスなどを提供する方向だ。グループの豊田通商がグラブに出資した。

 トヨタは昨年、グラブと競合する米ウーバー・テクノロジーズに出資。米国の相乗りドライバーに自動車をリースしている。

 各地で膨らむシェア需要を取り込むには、道路事情などのデータを広く集め、使い勝手を改善するのが近道。世界展開で先んじたウーバーに続き、東南アジアに強いグラブとも組み、対応力を高める。

 クルマを共用してもらうカーシェアは愛知県豊田市などでも実施しているが、年内に始める米ハワイでは利用登録や決済に米マイクロソフトと合弁で開発したアプリを初めて使う。国内への導入も検討する。

 シェアに注力する背景には、クルマをつくって売るだけではじり貧になりかねない、との危機感もある。同業者やIT、通信事業者が力を入れる自動運転とシェアが組み合わされば、人件費のかからない「無人タクシー」が実現。マイカー需要が奪われかねない。

 通信大手のソフトバンクグループは、グラブのほか中国の滴滴出行、インドのオラといったシェア大手にも出資済み。孫正義社長は「交通の利用の仕方は30年後、50年後には全く違ってくる。自動運転の段階がくれば、ライドシェアがより重要性を増す」と話す。(竹山栄太郎、初見翔)

こんなニュースも