[PR]

 マット・デイモンが、手のひらサイズに縮んでしまった――? 環境破壊や資源の消費を抑えるために「人間を小さくする」装置が発明された近未来を描くコメディー「ダウンサイジング」が、8月30日にイタリアで開幕したベネチア国際映画祭のオープニング作品としてお披露目された。格差が広がる社会を風刺する場面もあり、現地で会見したデイモンは「大勢の人に共感してもらえる映画」と自信をのぞかせた。

 物語は、ノルウェーの科学者が人間の体長をわずか13センチに縮められる装置を発明した場面から始まる。体が小さくなると食費などの生活費だけでなく、住宅費や交通費も抑えられる。現実社会では持ち家に手が届かなくても、「ダウンサイジング」の社会では人形の家の価格で豪邸が手に入る――というわけだ。

 デイモンが演じたのは、そんなうたい文句にひかれて小さくなることを選択した主人公のポール。新しい世界で人生をやり直そうと妻と一緒に小さくなるはずだったが、直前で妻が翻意。ポールだけが小さくなってしまう。

 監督は「サイドウェイ」や「ネブラスカ」で知られるアレクサンダー・ペイン。会見で監督は「物語のベースはSFだが、ユーモアも入れたかった」。デイモンは「脚本を読んだとき、とても独特で面白いと思った。これまでアレクサンダーが作った映画の中で最も楽観的じゃないかな」と語る。

 ポールは小さくなった人たちが暮らす理想の社会に移り住み、何の不満もない生活を送っていた。だがある日、底辺で極貧の生活を送る人たちの存在を知り、人生が変わっていく。デイモンは「監督はとても用意周到。たとえ数十回カットを重ねても、それがパズルのようにはまっていく。何を撮りたいのかが明確だったので、すべてがうまくいった」と話した。

 邦題は「ダウンサイズ」。劇場公開は米国で今年12月、日本では来年3月になる予定。(ベネチア=伊藤恵里奈)