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 福島県南西部に位置する檜枝岐(ひのえまた)村で2日夜、江戸時代から約270年間続くとされる檜枝岐歌舞伎が村民によって演じられた。今年は村政100年の節目で、約600人が暮らす山村に多くの観客が集まり、伝統の芸を堪能した。

 歌舞伎を演じるのは村民約30人でつくる「千葉之家花駒座」で、親から子へと代々引き継がれてきた。

 この日は中学3年の星将矢君(14)が舞台清めの「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」を舞った後、「本能寺の変」を題材にした「絵本太功記 本能寺の段」が披露された。「織田春長」役の橘剛さん(49)は社会福祉協議会に勤務。妻・阿野局役の平野真美さん(50)は民宿を営む。森蘭丸役の星孝和さん(45)と、蘭丸を慕うしのぶ役の星瑠美さん(40)は村職員だ。

 公演は5、8、9月の年3回。花駒座の人たちは深い雪に包まれる年の瀬、翌年に演じる三つの演目を決め、稽古を重ねてきた。

 尾瀬への入り口にある檜枝岐村は1917(大正6)年に近隣の村から独立し、単独の自治体として誕生。歌舞伎は村の観光資源にもなっている。(戸松康雄)