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(1日、阪神5―3中日)

 起死回生だ。1点を追う八回1死一塁で阪神の中谷。フルカウントから、中日・又吉の浮いた変化球を餌食にした。打球は左翼ポール際へ。「飛距離は完璧。あとは切れないでくれ、と」。この逆転2ランに、鳥谷が右中間へのソロで続くのだから、盛り上がらないわけがない。

 9月に入った。阪神がしびれるゲームを戦っている。ちょうど1カ月前、首位広島に11ゲーム差をつけられていた。セ・リーグの灯が消えてしまう――そんな見方は失礼だった。

 長く甲子園を留守にする8月を17勝9敗1分けで突っ走った。12勝13敗2分けと負け越した広島をじわじわと追い、ゲーム差を5・5に縮めた。自力優勝の可能性を復活させ、広島の優勝マジックも消している。

 しぶとさを身につけながら、盛り返している。殊勲の中谷は野手では今季一番の成長株だ。ミスも多く、金本監督を怒らせることもたびたびだが、この24歳には根性がある。だから、監督は、この日の一発に目尻を下げる。「まぐれだろうがなんだろうが、当ててあそこまで運べるのは、素晴らしいこと」

 鳥谷のソロは通算1993安打目。節目へ秒読み段階に入っている36歳は、中谷と並んだお立ち台で珍しくきっぱりと言った。「目の前の1試合を勝つしかない。周りを気にせず、勝っていきたい」。もう一度、王者広島に勝負を挑める。そんな空気になってきた。(竹田竜世)

 ○金本監督(神) 「最後まであきらめず、今日みたいな勝ち方が出来るようになった。明日もこの勢いでいきたい」

 ○鳥谷(神) 八回、中谷の2ランに続いて右中間にソロを放って通算1993安打に。「中谷の本塁打で逆転したので、気楽に打席に立てた」

 ○大山(神) 初めて4番に起用され、三回に先制の二塁打。「走者をかえすことを考えて積極的に打ちにいきました」