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 奈良・興福寺の北円堂(ほくえんどう)で5日朝、日本の彫刻史上最も有名な仏師・運慶(?~1223)の傑作、無著・世親両菩薩立像(むじゃく・せしんぼさつりゅうぞう)(国宝)の魂を抜く法要が営まれた。26日~11月26日に東京・上野の東京国立博物館で開かれる特別展「運慶」(東京国立博物館、興福寺、朝日新聞社、テレビ朝日主催)に出展するためで、近く東京へ運ばれる。

 無著・世親は4~5世紀ごろ、インドに実在した高僧の兄弟。興福寺では、平氏の南都焼き打ち後の1212(建暦2)年ごろに造られ、北円堂の本尊・弥勒(みろく)如来像の左右に立つ。無著像(高さ1・95メートル)、世親像(1・92メートル)とも生きているような迫真性から、鎌倉彫刻の代表作として、日本史の教科書にもしばしば登場する。

 法要では、多川俊映(たがわしゅんえい)貫首らが読経し、展覧会中の無事を祈った。特別展では、和歌山・高野山霊宝館の「八大童子(はちだいどうじ)立像」や奈良・円成寺(えんじょうじ)の大日如来坐像(ざぞう)(いずれも国宝)などとともに公開される。(編集委員・小滝ちひろ