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 サッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選は、残り1試合。6大会連続の出場を決めている日本代表だが、5日(日本時間6日未明)の敵地サウジアラビア戦は、選手にとっては、本大会に向けて自らの存在をアピールする重要な一戦になる。31歳の本田圭佑も、チーム内での生き残りをかける一人だ。2日にチームとともに開催地ジッダに入り、練習を再開した本田は「これまでと努力の仕方も変え、今までと違った挑戦をしていきたい。新たな本田圭佑をみなさんに見せたい」と語った。

 W杯出場を決めた8月31日の豪州戦で、本田は今最終予選で初めて出場なしに終わった。定位置の再奪取は台頭する若手との競争になるが、「それとは少し違った視点で、レギュラーを取り戻そうとしている。自分自身に挑戦し、勝ちたい」。豪州戦では抜擢(ばってき)された29歳の乾、22歳の浅野のスピードや走力に「刺激を受けた」。不得手とされてきた運動量などのアップに取り組む構えをうかがわせた。

 変化を模索する中、変えないものは「サッカー観」という。「自分がどんなプレーをすべきか、日本人がどんなサッカーを築いていくのか。(W杯の)南アフリカで負け、ブラジルで負けていろいろ考えてきた。変えた方がいいという発言も過去にしたかもしれないが、そこは変えない方がいいというのが今の答え」

 前回の2014年ブラジルW杯では、ボール保持率を高め、連動・連係で相手を上回るスタイルを目指していた。そのスタイルを「変えない方がいい」というならば、「縦に速い攻撃」「1対1の戦いで負けない」を掲げるハリルホジッチ監督と、ぶつかることもあり得る。

 本田は「監督が言っていることは、まさに正しい、目からウロコが落ちる的な部分もある。そうじゃない部分もある」「議論はする。ただし、最終決定権は僕にはない。だから僕が最終的には(監督に)合わせる。勝ちたい思いは、一緒なので」

 W杯まで約9カ月。瀬戸際の立場に追い込まれての「変身宣言」ともとれる。ただ、焦りはないと明言した。「若い頃は、それこそ星稜高校(石川)に進んだ頃が一番焦ってた。サッカー選手としての先が明確に見えている分だけ、劇的に体力が上がるわけでもなく、成り上がるためのサッカーキャリアではもうない。考える余裕がある」。31歳になってなお、「まだ成長できる」という本田。変化の第一歩を踏み出すのが、サウジアラビア戦となる。(ジッダ=藤木健