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 太平洋戦争の激戦地だったニューギニア北西部のビアク島(インドネシア)。NPO法人・太平洋戦史館(岩手県奥州市)の一員として遺骨収集活動に参加してきた写真家の安島太佳由(やすじまたかよし)さん(58)=東京都練馬区=が今夏、写真集「インドネシア戦跡巡礼」を自費出版した。戦後72年を経てもなお、野ざらしになったままの白骨化した遺体。赤道直下の島で起きた戦争のむごさを写真は伝える。

 「死者は自分の口で無念さを語ることができない。私たち生きている人間が、聞き取って伝えないといけない」と安島さんは語る。

 砂浜と熱帯雨林に囲まれたビアク島。日本の「絶対国防圏」にあり、日本軍は1943(昭和18)年に上陸。飛行場の建設を進めた。

 翌44年、連合軍と激戦となり、1万人以上が戦死したとみられる。兵士は東北出身者が多かったとされ、生還できたのは約500人という。

 安島さんは2009年、11年、14年、15年とこれまでに4回、島を訪ねた。

 気温30度を超える熱帯地域。あちこちで見つかる日本兵の白骨化した遺体を見たとき、噴き出る汗をぬぐいながらも寒気を感じた。洞窟には、焦げてへしゃげたドラム缶も散らばっていた。約2千人の兵士が入れる広さだったが、連合軍は火のついたドラム缶を投げ入れ、洞窟内はたちまち火の海になったという。

 集められた遺体は法医学鑑定のもと、日本兵かどうか確認。そのあと洗骨を施し、荼毘(だび)に付され、遺骨となる。「ビアク島はまさに『玉砕の島』だった。青い空と美しい海も彼らにはぼんやりと見えただけだろう。島に残された日本兵は、今も救援を待ち続けているのではないか」と安島さんは話す。

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 写真集は30ページで1300円(税込み)。問い合わせは安島写真事務所(090・1030・6827)。(編集委員・小泉信一