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 禁止薬物使用で資格停止処分を受けている五輪金メダリストで、ノルディックスキー距離女子のテレーセ・ヨーハウグ(29)=ノルウェー=が、来年の平昌(ピョンチャン)五輪に出場できなくなった。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は先月22日、来年4月までの処分延長を発表。背景には事態を重く見る国際スキー連盟(FIS)の意向がある。

 2010年バンクーバー五輪の20キロリレーで金メダルを獲得するなど、過去の五輪で3個のメダルに輝いたヨーハウグ。従来の資格停止は昨年10月18日からの13カ月だった。来年2月開催の五輪出場は可能だっただけに、落胆ぶりは激しかった。CASの決定を受けた記者会見では、「五輪で競うことが夢だったのに、今回の処分を理解できない」と涙した。

 ドーピング違反が発覚したのは昨年9月。抜き打ち検査で、ステロイドに陽性反応を示した。禁止薬物が検出されたのは、日焼け止めのリップクリームで、チーム医師から与えられて使用したという。

 運動能力の向上には十分な量ではないという見解から、CASはヨーハウグが故意に違反を犯してはいないと判断。ただし、商品の注意書きの確認を怠った過失責任はあるとし、13カ月の資格停止処分を科した。しかし、FISは納得しなかった。寛容すぎるとし、今年3月に処分を16~20カ月に延長するよう、CASに申し立てを行っていた。

 再考の結果、CASは処分を来年4月までの18カ月に延長した。理由は「注意書きに記載された禁止薬物の確認を怠っただけでなく、(注意書きには)ドーピング違反の可能性に対する警告もあった」ためだ。責任は医師にあり、自分にはないと主張していたヨーハウグは「処分決定の意味が分からない」と嘆いたが、体内に入るものへの責任はどの選手にも課されている。今回も例外ではなく、薬物問題で出場できない不名誉な事態へと発展した。(遠田寛生)