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 柔道の世界選手権は3日、ブダペストで最終日があり、初実施の6人制男女混合団体戦が21チームの参加で行われた。第1シードの日本は初戦の2回戦でウクライナ、準々決勝でドイツ、準決勝で韓国に快勝。決勝はブラジルとの対戦になり、1人目の女子57キロ級の芳田司(コマツ)が寝技の一本勝ちで先制し、4人目の男子90キロ級の長沢憲大(パーク24)の反則勝ちなどで優勝。初代の王者に就いた。

 2日の第6日は、男子100キロ超級でフランスのテディ・リネールが大会8連覇を果たした。

■発祥国の意地、総合力で金

 男女6人が力を合わせる混合団体戦。初代王者をかけた国と国との戦いで、日本柔道の底力を見せた。

 個人戦でメダルを手にした選手たちは自信をみなぎらせて戦った。準決勝の韓国戦。女子57キロ級銀の芳田が1人目でチームを勢いに乗せる。思い切りよく相手の懐に飛び込む小内刈りで技ありを奪った。

 男子73キロ級で金メダルに輝いた橋本壮市が続く。場内アナウンスで「ワールドチャンピオン」と高らかに紹介され、誇らしげに畳へ。世界ランク3位の難敵、安昌林(アンチャンリム)の背中をつかむと豪快な裏投げで畳に沈めた。

 個人戦で結果を残せなかった選手は、悔しさをバネに戦った。男子100キロ超級で3回戦敗退を喫した王子谷剛志。韓国戦では開始10秒の早業で一本勝ち。相手を支え釣り込み足で投げ飛ばし、「どうだ」と言わんばかりの顔で胸を張った。

 初戦からの3戦を全て5勝1敗で進んだ決勝。再び芳田が流れをつくる。今度はリオ五輪女王のシルバを抑え込んで完勝。橋本も派手な投げ技を繰り出して連勝し、女子70キロ級金の新井千鶴が勝って王手に。優勝を決めたのは個人戦の代表に選ばれず、団体戦要員でブダペストに来た男子90キロ級の長沢。個人代表になれず「恥ずかしい」とも漏らした23歳が、きっちり勝利をもぎ取った。

 2020年東京五輪で正式種目に採用される。選手層、チームワーク、戦術。柔道の総合力を競い合い、発祥国の意地を見せた選手たち。全ての重圧から解放され、晴れやかに笑い合った。(波戸健一)