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 メダカの色の見え方(色覚)が夏と冬で変化することを、基礎生物学研究所(基生研、愛知県岡崎市)などの研究グループが発見し、4日に発表した。同日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載される。

 研究グループは、メダカの見た目や動きを細かく模した「バーチャルメダカ」で、尾などの赤みがより濃い「婚姻色」を再現。水温が低く日照時間の短い飼育環境の「冬のメダカ」と、水温が高く日照時間が長い状況の「夏のメダカ」に、バーチャルメダカを水槽越しに見せた。その結果、「夏」の方が婚姻色のバーチャルメダカに顕著に反応したという。

 メダカは、夏には活発に水槽の中を動き回り、他のメダカと群れたり繁殖行動を起こしたりするが、冬には水底であまり動かずに過ごす。研究グループが冬のメダカを夏の飼育環境に移して目の細胞を調べたところ、冬にはあまり現れなかった色覚のたんぱく質が大幅に増えたという。さらに、8種類ある色覚のたんぱく質のうち、赤色を感じるものを欠損させたメダカに婚姻色のバーチャルメダカを見せたところ、反応が低下したという。

 こうした変化は、食べ物をあまりとらない冬にエネルギーを節約するための生理現象ではないかと考えられるという。

 色覚が季節で変わるのはヒトでも報告されている。基生研の吉村崇客員教授(動物生理学)は「光の感受性が下がって、気分の沈みが起こるのではないか」と指摘し、「さらに研究を進めれば、冬季のうつ病の原因が理解できるかもしれない」と話した。(大野晴香)