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 世界的な音楽家で脱原発運動などでも知られる坂本龍一を、東日本大震災後の2012年から5年にわたって密着取材したドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」(スティーブン・ノムラ・シブル監督)が、イタリアで開催中のベネチア国際映画祭の「アウト・オブ・コンペティション部門」に出品され、3日に公式上映された。時代に先駆けて音楽にテクノロジーを取り入れ、数多くの映画音楽も手がけてきた坂本。自身の音楽活動を振り返る内容にもなった今作について、現地で朝日新聞のインタビューに応じた。

 ――ベネチア映画祭では先日、小津安二郎監督の「お茶漬(ちゃづけ)の味」の4K復刻版の上映がありました。上映前のイベントで坂本さんは「昔は小津映画の音楽が気に入らず、自分で作り直したいと思っていた。でも今は自分の考えが間違っていたとわかった」と語っていました。

 20年以上前に、(現代音楽家の)武満徹さんとそんな会話をして盛り上がったんです。我々は小津の映画が大好きだけど、映像美に比べると、音楽はありきたりすぎると思っていた。でも今は、とても周到に計算した結果のありきたりな音楽だとわかったんです。もちろん僕の好みの音楽ではない。だけど、映画が一番必要としている音楽とは何か。作曲家の個人的な趣味を入れちゃだめですね。

 ――何かきっかけが?

 山田洋次監督の「母と暮(くら)せば」の音楽を作った経験が大きかった。山田さんは小津の時代の松竹を知っている最後の方。日本映画の黄金期にオマージュを捧げる気持ちで参加しました。あえて昔の松竹映画のように、舞台装置のような、その場の雰囲気を取り入れた音楽にしました。

 ――映画「CODA」の中で、「映画音楽の不自由さのおかげで、逆に自分の可能性を広げられる」と言っていますが。

 そうですね。締め切りはタイトだし、映画監督ってのはみんな独裁者ですから。僕は怠け者なので、そういう強いカリスマ性をもつ人から「やれ」と言われないと動かない。お題を与えてくれて初めて音楽をひねり出せる。

 ――昔の映画音楽はメロディーを口ずさめる名曲が多い。坂本さんが音楽を担当した「戦場のメリークリスマス」や「ラストエンペラー」のサウンドトラックを聴くと、映画の記憶が鮮やかによみがえります。

 曲としてはいいけど、映画音楽…

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