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 日本列島越えのミサイル発射に続き、3日に6回目の核実験をした北朝鮮。事態を重く見た国会で5日に審議があった。危機感を強める議員らが対話を含めて様々な提案をしたが、政府側は、軍事行動を排除しない米国を支える姿勢を強調。経済制裁とあわせて「北朝鮮への圧力を強め、対話に向かわせる」という従来の答弁を繰り返した。

 午前の衆院外務委員会。共産の笠井亮氏が問いかけた。「米朝で軍事のエスカレーションが進んで偶発的な事態が生じた時、一番被害を受ける国は日本だ。米朝対話が緊急に必要だ」

 河野太郎外相が反論した。「緊張を一方的にエスカレートさせているのは北朝鮮だ。米国は日本を守る抑止力を提供してくれている。北朝鮮が具体的に非核化への行動をとれば日米とも対話の用意がある」

 まず北朝鮮が悪行を改めるべきだというのが日米の基本姿勢。だが、対話を求める声は他党からも出た。

 先週に超党派議員団で北京を訪れた公明の遠山清彦氏は、中国が唱える「ダブル・フリーズ(二つの凍結)」に触れた。北朝鮮が核・ミサイル開発を、米韓が合同軍事演習をそれぞれ凍結し、対話の手がかりにしようという考え方だ。

 河野外相は「二つの凍結」にくみしなかった。「国際法の枠組みで行われている米韓演習と、国連安全保障理事会の決議に違反を続ける北朝鮮の核・ミサイル開発を同じテーブルに載せることはできない」

 与野党の議員からは、日本の危機や国民の不安を強調する主張も続いた。

 民進の渡辺周氏が「次にミサイルを撃たれたら準有事の重要影響事態と認定すべきでは」と問うたが、政府側はノーコメント。自民の中山泰秀氏は「地元を歩いていると北朝鮮対策で核保有の議論まで聞こえてくる」「現実的に核保有国となっている北朝鮮とどう共存していけるのか」と厳しい認識を示した。

 政府側が答弁できずに審議が止まる場面もあった。維新の足立康史氏は、こうからかった。「これしきの質問に対応できなければ、戦争に勝てないですよ」(専門記者・藤田直央