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 米国のオバマ前大統領が1月にホワイトハウスを去る時に、トランプ大統領にあてた手紙の内容が4日明らかになった。CNNが関係者から入手した。民主主義を守ることなど四つのアドバイスが書き込まれていた。

 「親愛なる大統領」という書き出しで始まる手書きの手紙は257語でつづられ、三つ折りで封筒に入った状態で、大統領執務室の机の一番上の引き出しに入れてあった。

 オバマ氏は大統領職について「他にない任務で、成功への青写真などない」とした上で、8年間の在任期間に感じたことを四つのアドバイスの形で記した。

 まず、「我々は2人とも違った形だが、とても幸運に恵まれている。しかし、誰もが幸運とは限らない。勤勉なすべての子どもや家庭のために、より多くの成功への階段を築くことに全力を尽くすことは我々の責任だ」と訴えた。

 続いて、国際秩序を維持するためには、大統領が「行動と模範」を示す責任があると指摘。米国の繁栄と安全も、この秩序にかかっているとした。

 さらに、「我々は一時的に大統領の職を務めるだけ」とした上で、法の支配や三権分立、法の下の平等、自由の権利など民主主義制度の「守護者」でなければならないと諭した。「日々のめまぐるしい政治に関わらず、こうした民主主義の手段を、少なくとも、我々が手にしている強さで維持する責任がある」と述べた。

 最後に「家族と友人のための時間を持つ」ことで、不運な時も乗り切ることができると助言。「助けられることなら何でもする用意がある」と締めくくった。

 大統領が後任者に手紙を残すのは慣例。オバマ氏は手紙の内容を側近にも明かしていなかったが、トランプ氏は就任後、訪問者らに手紙を見せて紹介していた。

 トランプ氏は手紙を読んだ後、オバマ氏に電話したが不在だった。その後、2人は会っていない。CNNは、司法当局に圧力をかけ、議会を威嚇するトランプ氏の手法を取り上げ、オバマ氏の文面について「先見性がある」と皮肉っている。(ワシントン=土佐茂生)