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 震災を経験した若者は、他人を助けたり、他人の役に立ったりする仕事を志すようになる。テレビドラマなどで目にするような物語が、現実に多くの人の身の上で起きているようだ。米バージニア大の大石繁宏教授らの研究チームが論文をまとめ、専門誌「ユーロピアン・ジャーナル・オブ・パーソナリティー」に発表した。

 大石さんらは消防士や幼稚園の先生など「人助け」の度合いが強いと考えられる3職種について、応募状況の推移を調べた。1995年の阪神大震災で被災した神戸市など関西の5都市では、応募人数が震災後に以前の約3倍になったのに対し、被災していない東京都町田市など関東の4都市では2倍程度。競争倍率の上昇も関西のほうが顕著だった。

 また、全国の1500人にアンケートを実施。東日本大震災など94年以降に国内で起きた7地震の経験者は医療や教育、警察などの職業についていた人が10%いたのに対し、未経験の人では6・5%だった。

 研究チームは「自然災害は人々の価値観を自分中心から他人思いに変え、社会構造にも変化をもたらす」と分析している。

 英語で書かれた論文の要約はウェブサイト(http://onlinelibrary.wiley.com/wol1/doi/10.1002/per.2102/abstract別ウインドウで開きます)で読める。(小宮山亮磨)