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 おたふく風邪(ムンプス、流行性耳下腺炎)に感染し、合併症による難聴と診断された人が2015、16年の2年間で、少なくとも336人にのぼることが日本耳鼻咽喉(いんこう)科学会の調査でわかった。学会が5日、発表した。

 おたふく風邪は近年流行が続いており、難聴になる患者が出ている。実態を明らかにするため、全国の医療機関5565施設を対象に調査。回答を寄せた3536施設で難聴と診断された336人のうち、314人分について、最終的な聴力や治療内容など詳細な回答を得た。

 その結果、314人の約8割にあたる261人が日常生活にかなり支障をきたす高度難聴以上だった。両耳難聴となった14人中7人が人工内耳を埋め込む手術を受けていたという。年代別では、5~10歳で計154人と特に多く、30代も47人と比較的多かった。

 おたふく風邪はムンプスウイルスがせきやくしゃみ、接触でうつる感染症。合併症には難聴のほか、無菌性髄膜炎などがある。予防のためのワクチンは、1989年から風疹、はしか(麻疹)と合わせた三種混合(MMR)ワクチンとして定期接種になった。しかし、副反応の無菌性髄膜炎が問題になり、93年に定期接種が中止になった。現在は任意接種で、接種率は30~40%ほどとされる。

 調査を担当した守本倫子・国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科医長は「おたふく風邪による難聴になると治療は難しく、日常生活に非常に支障をきたしてしまう。予防できる難聴であることを知ってほしい」と話す。(土肥修一)

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