[PR]

 2015年にシリア渡航を計画したことを理由に旅券の返納を命じた国の措置は、憲法が保障する報道の自由などを侵害するとして、新潟市のフリーカメラマン杉本祐一さん(60)が命令の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁であった。深見敏正裁判長は「外相の判断に裁量権の逸脱や乱用は認められない」と述べ、国の命令を適法とした一審判決を支持し、杉本さんの控訴を棄却した。杉本さんは上告する方針。

 一審判決は、15年1~2月に過激派組織「イスラム国」(IS)がジャーナリストら邦人2人を殺害する映像を公開し、シリアに入る報道関係者にも危害が及ぶ可能性が高かったと指摘。「憲法がいかなる場合にも生命・身体より報道の自由を優先する、としているわけではない」として命令を適法だと結論づけた。

 杉本さんは控訴審で、同年1月にシリアでプレスツアーに参加したジャーナリストの証言などを提出。「安全は確保されていた」などと主張していた。

 杉本さんは15年2月末にシリアに入国して取材する計画だったが、渡航前の同月上旬に外務省から旅券の返納を命じられた。(後藤遼太)