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(5日、サッカーW杯アジア最終予選 日本0―1サウジアラビア)

 後半18分、ほんのわずかに、DF吉田麻也の対応が遅れた。

 中央から右サイドへのパス。ゴールに向かって走り込んできたサウジアラビアのF・ムワラドが豪快に右足を振り抜いた。シュートはゴール右上隅に吸い込まれる。GK川島永嗣もほとんど反応できなかった。

 後半開始から投入されたF・ムワラドは当初は左サイドにいたが、得点の場面は右サイドへ。ハリルホジッチ監督から「途中から入って激しいプレーをする選手」という情報は事前に伝えられていたが、その神出鬼没の動きに、日本は後手に回るようになった。

 勝てばW杯進出が決まるサウジは必ず、どこかで攻撃のギアを上げてくる。そうした展開を想定していたにもかかわらず、日本は一瞬の隙を突かれた。

 手元の温度計では気温31度、湿度は80%。むせかえるような暑さ、サウジアラビアへの長距離移動、W杯出場権獲得が決まった後で戦う気持ちを維持する難しさ。「デュエル(決闘)」を前に打ち出し、粘り強く闘い続けてきた日本の本来の姿とはほど遠いプレーが目立った。DF酒井宏樹はいう。「豪州戦では守れたのに、サウジ戦ではきついからと言って守れないのではだめ。苦しくても失点しないチームを作らないといけない」。豪州戦で作った良い流れを消す敗戦で、アジア最終予選10戦目で初の無得点。収穫は少なく、後味の悪さが残るばかりの最終戦となった。(河野正樹

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 日本・ハリルホジッチ監督 「疲労で相手にかみつくところが減っていった。攻撃では大胆なプレーとボールコントロールが少し足りなかった。チームにはまだまだ伸びしろがあるので、W杯までに成長したい」