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 北朝鮮が、3日の核実験を契機にEMP(電磁パルス)兵器に言及し始めた。核爆発で生じる電磁波でコンピューターなどをまひさせる攻撃手法だ。近代戦を意識した動きの一つだが、ネットワーク化が進む日米韓の防衛協力にとって脅威になる可能性がある。

 労働新聞(電子版)は核実験当日の3日付で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆を視察した様子を報道。「戦略目的に応じて高空で爆発させ、広大な地域への超強力EMP攻撃まで加えられる」と説明した。

 4日付では「一つの重要な打撃方法」とする大学関係者の論文も掲載した。

 軍事関係筋によれば、EMP兵器は、敵軍の指揮系統や民間インフラの混乱を引き起こす。軍用コンピューターには、電磁波を通さない装備が施されている場合が多いが、民間の電力供給や交通がまひする可能性がある。

 米韓両軍や自衛隊では航空機や戦車、艦船が情報を共有し、攻撃や防御で役割分担する能力が向上している。3カ国間で同時に情報を共有する試みも始まっている。このため、サイバー攻撃と合わせ、北朝鮮のEMP攻撃を警戒する声も上がっている。

 北朝鮮軍は従来、大砲や歩兵の物量を重視してきたが、1990年代の経済破綻(はたん)などから兵器が老朽化。商業施設など警備が手薄な「ソフトターゲット」を標的にするなど、圧倒的な戦力を誇る敵の防御の弱い部分を狙う「非対称戦」の準備に力を注いできた。

 水爆をEMP兵器として使う狙いの背景には、戦力の劣勢を少しでも補いたい思惑もありそうだ。(ソウル=牧野愛博)

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