[PR]

 遅咲きの跳馬のスペシャリストが初の代表入りを果たした。10月に開幕する体操男子の世界選手権に出場する安里圭亮(24、相好ク)は週6日、子どもたちに体操を教えながら技を磨いてきた。世界でも成功者が少ない最高難度の大技「リ・セグァン」を武器に世界の舞台に挑む。

 「僕のなかでは謎めいたキャラです。練習でも存在感ないというか……」

 2日にあった世界選手権代表発表会見。安里の印象について問われた内村航平(リンガーハット)は笑いながらこう話した。「でも、ひとたび跳馬を跳ぶと超すごい。跳馬やるときのオーラがすごい」

 安里は沖縄県北中城村出身。「トランポリンを跳んでみたい」と幼稚園から体操教室に通った。興南高校時代は、バスの本数が少ないこともあり、10キロほど離れた自宅まで1時間以上かけて歩くことも多く、足腰が強化された。

 小中高と目立った実績はなかったが、転機は福岡大1年の冬。右肩を負傷して1年間器具に触ることができず、体幹や下半身のトレーニングに時間を割いた。その結果、リオデジャネイロ五輪銅メダルの白井健三(日体大)に匹敵する跳躍を生む筋力を身につけ、大学4年での「リ・セグァン」成功に結びつけた。

 昨年の全日本種目別選手権で3位になると、今年6月の同選手権予選で白井を上回る得点を出し、代表候補に急浮上。2日の試技会でも14点台後半の演技を2本そろえ、世界選手権代表の座をつかんだ。

 所属する三重県の相好体操クラブの肩書は「コーチ兼選手」。大学卒業後、「体操の指導がしたい」と入ったクラブで平日は午前10時から3時間ほど練習し、午後は伊賀教室で2歳~高校生の子どもたちに体操の楽しさを教えている。

 「(技の難易度を示す)Dスコアは世界に通用すると思う。あとは着地をまとめられるか」と安里。テレビ中継を見る子どもたちに「自分の演技を見せたい」と意気込む。(照屋健)