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 フードバンク活動や食品ロス問題をもっと知ってもらおうと、多摩市のNPO法人「シェア・マインド」が、家庭や企業から寄付された食品を陳列し、必要な人に無償で提供する試みを始めた。名づけて「無料スーパー」。当面は月1回の開催だが、いずれは常設店舗を開設したいという。

 初回は3日、多摩市鶴牧1丁目の親子カフェ「WithCo(うぃずこ)」の一角で開かれた。コメや即席めん、缶詰、ペットボトルの飲み物などが入った容器10箱ほどが並び、モモやジャガイモもあった。値札はなく、レジもない。午前10時の開店前から大勢の客が詰めかけ、「1人7点まで」に制限したが、30分ほどでなくなった。

 シェア・マインドは昨年3月、家庭や企業で余っている食品の寄付を受け、生活に困っている人に届けるフードバンク事業を開始。事務所で週1回、食品の持ち込みや宅配便での送付を受け付け、市内を中心に毎月50人前後に配達したり、「子ども食堂」に提供したりしている。

 日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品ロスが621万トン(2014年度推計)に上る。国民みんなが毎日、茶わん1杯分ずつ捨てている計算だ。有効活用策としてフードバンクが各地で立ち上がっているが、代表理事の松本靖子さん(36)は「まだまだ広く浸透していない」と活動の中で痛感していたという。

 そうした中、豪シドニーで「すべて無料」のスーパーができたのを報じる新聞記事を7月に読んだ。「これなら食品ロスやフードバンク活動をより身近に感じてもらえる」。月1回、第1日曜日の限定だが、親子カフェの一角を借りて自分たちも始めることにした。

 初回は「貧困家庭限定でなく、誰でも来られるところがいい」など来店客の評判は上々。逆に寄付する食品を持参した人もいた。

 今後は常設店舗の開設をめざす。松本さんは「冷蔵庫や冷凍庫を備えた、誰でも食べ物を手に入れられ、子どもや高齢者の居場所にもなる場をつくりたい」。資金集めの手段などを模索している。

 問い合わせは松本さん(090・6470・4905)へ。(武井宏之