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 地方国立大に所属しながら国内トップレベルの実力を誇る水泳選手がいる。3日まであった日本学生選手権(インカレ)で男子50メートル自由形を2連覇した岡山大4年の中尾駿一だ。

 優勝タイムは22秒02の大会新記録。なおかつ3位だった今年4月の日本選手権で出した自己ベストを0・01秒更新した。ただ本人は日本記録(21秒88)を狙っていたといい、「スタートで遅れた。もっと圧倒的な力で勝てるかと思ったけど」と笑みを見せた。

 地元・岡山の倉敷青陵高時代は大きな実績はなく、インカレも1、2年時は23秒台後半のタイムで予選落ち。当時の目標は「決勝に残ること」だった。ただ岡山大の「水」が自分に合っていた。

 専任のコーチがおらず、選手自らが練習メニューを考える自由な空気の中、「我流で鍛えてきた」。2年ほど前から器具を使わない筋力トレーニングで上半身、特に背筋を鍛え始めた。するとストロークが大きくなり、タイムが伸びた。スプリント系選手には珍しく、182センチ、63キロの細身。長い手足をしなやかに使う泳ぎに、力強さが加わった。

 昨年のインカレで22秒15の好タイムで優勝して以降、11月のアジア選手権や今年8月のユニバーシアード代表に名を連ねた。現在の目標は世界大会で表彰台に上ること。目安となる21秒台を出すためには、前半のスピードを身につけることと自覚している。

 卒業後の所属は未定だが、これからも専任コーチにつくつもりはない。「日本代表の合宿で学んだことを自分なりにアレンジして鍛えていくつもり。このやり方で、世界を目指したい」と語る。(有田憲一)