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 フィリピンで10代の少年が麻薬犯罪捜査に絡んで殺害される事件が相次ぎ、警察による暴力的な捜査を容認してきたドゥテルテ政権への不信感が高まっている。政権側は大統領府が「麻薬戦争」の見直しに初めて言及するなど批判の抑え込みを図っている。

 ルソン島中部ヌエバエシハ州で7日、14歳の少年の遺体が川に浮いているのが見つかった。ビニールテープで顔をぐるぐる巻きにされ、体を約30カ所刃物で刺されていた。犯行の経緯は明らかになっていない。

 だが、この少年と前日まで行動をともにしていた当時19歳の少年が8月18日にマニラ首都圏で警官に射殺されていた。警察は19歳の少年が「違法薬物を所持していた」と主張した。そのため、14歳の少年の殺害にも警官が関わったとの疑惑が広がっている。

 8月16日には麻薬犯罪捜査中の警官が高校生の少年(17)を殺害した。目撃証言や監視カメラ映像から、警察の言い分と異なり少年は無抵抗だった可能性が高く、葬儀は3千人規模の抗議デモに発展した。

 相次ぐ少年の殺害事件を受け、アベリヤ大統領報道官は今月7日の会見で麻薬犯罪撲滅について、「進め方については見直しが必要だ」と述べた。だが、ドゥテルテ大統領は8日、「子どもの殺害は、我々の取り組みを妨害しようとする意図的な行為だ」と発言。何者かの陰謀と主張することで世論の反発を抑えたい意向をにじませた。(マニラ=鈴木暁子)