[PR]

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、伊勢丹松戸店(千葉県)の11階まである店舗のうち、5階以上を将来閉鎖する縮小案を松戸市側に伝えていることがわかった。市がテナント料を支払って店舗の一部を借り受ける事実上の金銭的な支援策の是非を巡って揺れる同店の存続問題。来春以降、規模を大幅に縮小するか、撤退するかの可能性が高まった。

 市議会総務財務常任委員会は7日、市が提案した4階フロアを来年10月から総額約21億円で賃貸借する債務負担行為案について、一般会計補正予算案から削除する修正案を可決。このままの支援策が通る見通しは立っていない。

 市総合政策部によると、縮小案が示されたのは5月23日。HDの構造改革推進部の幹部が、①5階以上を返却し、地下1階から4階までを賃借する②4階部分に行政施設を整備してほしい、の2点をワンセットで提案した。時期は明示されていないという。同店は地下1階から11階までの本館と、2階から11階までの新館を合わせて延べ床面積は約6万2千平方メートルで、HDが外資系投資ファンドから一括して借りている。HD側の案では、いずれも5階以上のフロアを返却して閉鎖するものとみられるという。

 市とHD側は昨年9月以降、松戸店の存続に向けた話し合いを続けてきた。当初はテナント料が安い上層階に市の施設が入居する方向になった。しかし、3月のHD社長の辞任で協議が一時ストップ。協議を再開したのが5月23日だった。

 こうした経過は市側から市議会や主要会派の幹部にその都度伝えられ、店舗の5階以上の閉鎖については今月5日の市議会本会議で公式に示された。主要会派の幹部は「伊勢丹を支援することがダメだと言っているわけではないが、市の支援策を審議するにも資料になるものが足りず判断できない」と話し、「伊勢丹がどの程度、松戸の商業を考えているのか、本気度が伝わってこない。一度、話を聞きたいのだが」として、HD側の直接の説明を希望している。

 これに対し、HDの広報担当は朝日新聞の取材に「5階以上の閉鎖は一つの案として縮小もあり得ると伝えたもの。市の施設入居はその前から協議していた。議会への直接説明については何とも申し上げられないが、議会で審議中の市の提案を見守りたい」と話す。

 一方、市の小林邦博・総合政策部長は「社長の交代でHDの雰囲気はガラッと変わった。しかし、松戸唯一の百貨店が存続する意味は大きい。市議会もHDも了解するよう、さらに努力を続けたい」と必死だ。(青柳正悟)