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 インドネシア・バリ島で火災が起きた住宅から日本人夫婦とみられる遺体が見つかった事件で、現地警察は8日、遺体が東京都出身の松葉紀男さん(76)と妻博子さん(73)と確認し、司法解剖を実施した。遺体には傷があり、警察は殺人事件とみて調べている。

 松葉さん夫妻は同島南部ジンバランの住宅で約2年前から暮らし、4日朝、2階の寝室で遺体で見つかった。警察が当初「養子」と発表した友人の地元男性(48)が、火災の形跡に気付いて警察に通報した。

 警察の調べでは、紀男さんの首と背中に刃物による切り傷が複数あった。博子さんは首に刺し傷があり、首と左手にロープが巻かれていた。浴室などで血痕が見つかり、自宅前に止めた乗用車のドアと給油口も開いていた。

 解剖の担当医は取材に「死因はまだ公表できないが、肺に煙を吸った形跡はなかった」と説明。2人の死後に何者かが放火した可能性が出ている。

 現場は閑静な住宅街で、周辺住民は不審な音を聞いていない。遺体発見時に松葉さん宅の門が施錠され、普段は敷地内で放し飼いにしていた犬がつながれていたことから、警察は顔見知りが犯行に関わったと見ている。

 近所に住む友人、菜切(なきり)真由美さん(45)によると、松葉さんは十数年前にインドネシアに移住。約5年前にバリ島に引っ越してマグロの集荷の仕事をしつつ、達筆を生かして書道教室を開いてもいた。「面倒見が良く、仲の良い夫婦だった」と話した。(ジンバラン=古谷祐伸)