【動画】有田焼で作られたチェスの駒=黒田健朗撮影
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 佐賀県有田町の陶磁器販売業者や窯元らが、有田焼のチェス駒を開発した。13日から19日まで東京都世田谷区の玉川高島屋に出展、予約販売を始める。色鮮やかで美しいのはもちろん、壊れにくい「最強」の新素材を使ったのが特長だ。創業から401年。競技人口7億人ともされるチェスで、世界市場に新たな一手を投じる。

 愛称は「チェジェル」。チェスの宝石という意味だ。古伊万里風の絵付けや金箔(きんぱく)が施されたものなど、16個1組の駒を10種類開発した。最も大きいキングは高さ10センチほどで、競技用として一般的な大きさ。県窯業(ようぎょう)技術センターが昨年開発した、磁器として「世界最高強度」を誇る新素材を初めて使用。一般の磁器の4倍ほどの強度があり、落としても壊れにくいという。

 有田焼は、昨年創業400年を迎えたのを機に、海外への販路拡大に力を入れている。同町の陶磁器販売会社「陶楽」の代表取締役原口隆さん(66)は、2020年の東京五輪を意識した商品開発を模索する中でチェスに着目。「将来、五輪の競技種目に」という機運があることや、フランスのセーブル焼などでも駒が作られていることを知った。「有田焼でセーブルに負けないチェス駒を作ろう」。センターの協力を得て、町内の窯元などと開発を始めた。

 新素材を使うため、水加減や土の収縮具合などの勝手が違い、型から外すとひびが入っているなど苦難もあったが、今年8月におおむね完成した。インテリアとしての使用も想定し、価格は駒1組あたり20万~50万円程度を予定している。

 有田焼は1616年、朝鮮から来た陶工・李参平が磁器の原料を同町の泉山で見つけたのが始まり。17世紀後半には欧州に輸出され、佐賀藩が幕府、薩摩藩とともに参加した1867年のパリ万博でも来場者を魅了した。

 原口さんは「将来、五輪でも使ってほしい。チェスで有田焼を世界に発信できれば」。今後は駒の改良や、同じ素材を使った盤の開発も進める。(黒田健朗)

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