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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場建設をめぐり、15カ国の環境NGO47団体が、国際オリンピック委員会(IOC)と東京大会の組織委員会などに、熱帯木材を使わないことなどを要請する公開書簡を送った。コンクリートを固める型枠の合板に、伐採された現地で先住民族の権利が侵害されたり、自然破壊で環境に悪影響が出たりしている恐れがある熱帯木材が使われているとしている。

 新国立競技場は木を多用した設計で約2千立方メートルの木材が使われる。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、軒庇(ひさし)と屋根集成材は適切な管理と認証された国産木材を使う方針。だが、これまでに計5万8千枚使われた型枠合板はその方針の対象外だ。

 建設現場を監視していたNGOが4月、乱伐で先住民族との間で訴訟が多発しているマレーシアのサラワク州の伐採企業「シンヤン」が製造した型枠合板を見つけ、JSCに調査を求めてきた。熱帯木材を使わないよう求めるインターネット署名は世界で14万人分集まったが、調査など対応がされていないとして公開書簡を送ったという。

 公開書簡に名を連ねたFoEジャパン理事の三柴淳一さんは「環境破壊や地域社会に影響がない木材かどうか確認するのは、最低限の責任。新国立競技場は大会後も残るレガシー(遺産)。その建設で持続可能性に疑問が持たれることは残念」と話す。

 公開書簡に対し、JSCは「組織委員会とも協議しながら対応を検討していく」、組織委員会は「内容について確認中」としている。(神田明美)