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 国内でただ一つのハンセン病患者専用の刑務所として使われた「菊池医療刑務支所」(熊本県合志市)。約20年前に閉鎖された元庁舎が、姿を消そうとしている。現地で学校の建設計画が進み、熊本地震で安全面への不安も生じたため、元患者らが保存を断念した。

 国内最大のハンセン病療養所・菊池恵楓園の向かいにあるコンクリート造り2階建ての白い建物。1986年に建て替えられた菊池医療刑務支所の元庁舎だ。

 53年に熊本刑務所の支所として設置された。同年にできた、らい予防法に基づく隔離政策やハンセン病への偏見から、犯罪に関わった患者の受け入れを一般の刑務所が拒んだことなどが背景にあったとされる。

 当時の宮崎松記・恵楓園長は手記「癩(らい)刑務所の出来るまで」(53年)に、こう記した。「癩(らい)患者の犯罪があつた場合も、警察や検察当局では矢張(やは)りこれを非常に怖(おそ)れ嫌がり、又(また)一方刑務所の方でも健康なものと一緒に収容することは困ると(中略)療養所に送り込まれることが屢々(しばしば)あつた」

 菊池恵楓園入所者自治会長、志村康さん(84)は「ハンセン病専用の刑務所がつくられること自体、当時の根強い差別や恐怖心を表している」と言う。法務省によると、らい予防法廃止に伴い97年に閉鎖されるまでに計171人を収監。記録に残る限り、54年末には最も多い19人の患者がいた。

 旧庁舎では、ハンセン病患者を…

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